2020年12月21日(月曜日)。今日は冬至(とうじ)。みなさんは「かぼちゃ」や「だいこん」を食べて「運」を盛っただろうか?──冬至は一年で一番、「」が長い日。そんな長い、長い夜に読みたくなる漫画がある…静かで、ひんやりしていて、真っ暗で、ちょっと怖くて、でもワクワクもしている。この世界で自分だけが起きて動いているような「長い夜」にみんなに3つの漫画を紹介したい。

1:「よふかしのうた」─【逃亡/ヨルシカ

 

 

掲載誌 「週刊少年サンデー」2019年〜既刊5
作者・前作 コトヤマ
2014年〜「だがしかし」(全11巻)
【公式】
Webサイト
 1・2話無料 https://sunday.tameshiyo.me/YOFUKASHI00

 

1行あらすじ:初めて「夜」に外に出た、なんか楽しい。…怪しいお姉さんに会った。

 

ここがポイント:主人公「夜守コウ(やもりこう)」(14歳)はいまちょっと不登校気味。理由はたいしたことないがなんか突然、「嫌になった」らしい。体力が有り余っているので眠れない。なので「」に出て散歩することに。初めての「」はなんだか楽しい─。

 

ここがポイント:怪しいお姉さんの名前は「七草ナズナ(ななくさなずな)」。胃に優しそうな名前しているけど「ビール下ネタ」が好き。電信柱の上にちょくちょくいる。電信柱の上に佇んで(たたずんで)いるのってなんかカッコいい。私の妄想の中ではだいたいブギーポップがいる。

 

ここがポイント:夜守 コウは悩んでいる。自分は「どうしたらいいのか?」、と。めんどくさくなって、たのしくなくなって、今まで通りにするのがバカらしくなる。急に襲われる「この感情」にみんなはどう向き合っているのだろうか?そこに現れた七草 ナズナの言葉に心惹かれ、コウは「ある決断」をする──。

 

初めてなりたいものができたんだ。この気持ちを失くしたくない。だから─

「よふかしのうた」第1巻P60より

 

 

1話完結
絵がキレイ
夜の匂い
夜に散歩したい

 

「さぁ、もっと遠くに行こうぜ」「ねぇ、もっと逃げていいよ」

BGM:「逃亡by/ヨルシカ (公式コラボミュージックビデオ)
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=T535kqz3mgw&t=202s

 

2:「夜と海」─【ナイトクルージング/フィッシュマンズ

 

 

掲載誌 雑誌「ラバコ」・Web「コミックトレイル」2018年〜既刊
作者・他作品 郷本(ごうもと)
ねこだまり」(全4巻)→2020年12月現在半額セール中!
【公式】
Webサイト
 1~3話無料 https://comic-trail.jp/series/yorutoumi

 

1行あらすじ:繊細?センシティブ?ちょっと変わった2人の少女たちの日常を描く。

ここがポイント:ダウナーな雰囲気の「夜野月子(よるの つきこ)」はプールで見かけた「内海彩(うつみ あや)」が気になる。彼女が泳いでいる姿を思い出すとき、そこには「」のイメージがつきまとう。静かで、深く、暗い、海─。なぜかしら?

 

ここがポイント:月子はベタベタされるのを嫌う。自分から誰かに関わることもしない。そんな月子に内海は「冷たいなぁ〜」とか「人喋るの下手だね」と直球で返す。それに対して不愉快だと言いながらも…

……でも、あんたの泳ぎを見ているのは好き

「夜と海」第1巻27Pより

 

 

月子は幼い頃訪れた「水族館」のイメージを内海に投影しているように見える。コポコポと泡の音を立てながらゆらゆらと泳ぐ魚たち。内海彩のもつ「」のイメージに月子は惹かれているようだが、「友達」?とはちょっと違う関係性を求めているようだ。一方、彩は月子に対して「」の住人ヴァンパイアみたいと口に出してひんしゅくを買っている。2人の関係性が形の定まらないのようで、そわそわしたり、心地良かったりしている。

 

 

1話完結
絵がキレイ
海のイメージ
仲の良さ よくわからない。

 

上がったり、下がったり。スロウでファスト。少女たちの心はゆらゆら波のやう

BGM:「ナイトクルージングby/フィッシュマンズ(クラムボンverもok!
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=H_k3gSMR8CM

 

3:「夜の歌」─【Fantasy/LAMA

 

 

掲載誌 「週刊少年サンデー」全1巻 1995年発行 対をなす短編集「暁の歌」がある。
作者・他作品 藤田和日郎(ふじた かずひろ)
うしおととら」(全33巻)
「双亡亭壊すべし」2016年〜既刊19巻(2020年12月現在)
【公式】
Webサイト
【小学館チャンネル】「双亡亭壊すべし」あらすじPV
https://www.youtube.com/watch?v=9GbhX8vx37w&list=PL2E6DBBE86D1E7637&index=13

 

藤田和日郎短編集「夜の歌」 目次
1:「からくりの君」
2:「掌の歌」
3:「連絡船奇譚」
4:「メリーゴーランドへ!」
5:「夜に散歩しないかね〈前編〉」
6:「夜に散歩しないかね〈後編〉」
の中でも「」の足音がひたひたと聞こえてきそうなミステリーホラー「夜に散歩しないかね」を紹介します。怖いのが嫌いな人も大丈夫。藤田和日郎先生の作家性は「光と闇」。闇と対決しようとする人間の光を描いている。読んだ後は「勇気」が出てきます。

 

 

1行あらすじ:時は大正、ビンボーな私立探偵が夜の闇に潜む複雑怪奇な事件を解決する!

 

 

ここがポイント:藤田先生の真骨頂、「ホラーグロ描写」が怖すぎるので心臓の弱い方は薄目(うすめ)、もしくは顔を反らしながら読んでください。1995年、初めて単行本で読んだ時、めちゃくちゃ怖くて「半目」で読んだのを覚えている。今年は2020年。25年前の作品が未だに怖いって改めてすごいな。

 

 

ここがポイント:私立探偵濱マイク、じゃなくて探偵「削秋平(さくや しゅうへい)」と女学生「沙子(さよこ)」さんの出会い。桜の花びらが舞い散る夜に、ふと見上げると女の子が‥‥。

ほ〜 桜の精なんて初めて見た。

「夜の歌」P154より

 

 

 

「夜が怖い」。私も幼い頃感じていた。真っ暗で見えない向こうに「何か」がいて、こっちをうかがっている。近づいたら襲ってくるんじゃないか?という妄想。怖い。そう、夜は怖いものだった。女学生「沙夜子」さんはそんな自分の感情と向き合い、勇気を出して「夜と対決」するという。凛としたその真っ直ぐな姿勢、「」のようにまぶしい──。

 

1話完結
絵がキレイ
夜の気配
夜に散歩しないかね? 怖いから嫌だ。

 

“探している” “見つけて” 羽のように、雲のように、波のように、月のように。いつかあなたと寄りそうように─

BGM:「Fantasyby/LAMA   (アニメ「UN-GO」エンディング)
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=tneeHgP4Xzk

 

 

 

 

 

 

 

夜は続く─。 今日はおやすみなさい。 また明日

 

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