このコーナーでは私が読んできた珠玉のマンガ達。別名「隠れた名作」を紹介していきたい。映えある第1回目は週刊少年ジャンプに92年から99年まで連載の梅澤春人(うめざわはると)作品「BØY(ボーイ)だ。

「BØY(ボーイ)」とは?

 

掲載誌 「週刊少年ジャンプ」1992年〜全33
作者・他作品 梅澤春人(うめざわ はると)
2000年〜「無頼男〜ブレーメン〜」(全9巻)
2004年〜「カウンタック」(全28巻)
作者・来歴

【Wikiより】

デザイン専門学校卒業後、会社に就職するもドロップアウト。「俺を救ってくれるのは漫画しかない」と漫画を描き始め、22歳の時に北条司(シティハンター)のアシスタントとして師事する。その時の同期に井上雄彦(スラムダンク)がいる。デビュー作「HARELUYA」のアシスタントに和月伸宏(るろうに剣心)がいた、らしい!

→90年代ジャンプ黄金期漫画家の交友関係、そのビッグネームぶりにあの頃のジャンプファンとしてはテンションが上がる( ^∀^)

 

1行あらすじ:無敵の男「日々野ハレルヤ」の痛快無比のバイオレンス&ちょっとエッチな青春劇。

 

キャラクター

・『BØY』の主要キャラクター3人+魅力的な敵キャラ1人を紹介!

日比野晴矢(ひびの ハレルヤ)

 楽園高校(ラクコー)1年生/ 「無の男」

一人称は「俺様」。仲間や敵を勝手につけたあだ名で呼ぶ。
「岡本」→「へなちょこ小僧」 「一条」→「むっつりスケベ」

他に「雨宮」→「ママミヤ」や「椎名」→「シイタケ」、「伊部麗子」→「エロババア」などその場のノリでつけたあだ名でずっと呼んでいる。呼ばれてる本人達も「日々野ハレルヤ」なら仕方ないと諦めている様子。ジャンプ漫画の主人公で内面がほとんど描かれないのはこの男ともう1人、「モンキー・D・ルフィ」が有名である。ヒーローはその「行動」で語る、を体現したジャンプが誇る最強系主人公の1人。
野望(夢では無い)は「世・界・征・服」。

 

右の画像はカバー下の絵。オレンジに黒のシルエット。小学生の時に何度も模写したのでこの横顔だけは今でも上手く描ける。左の画像はハレルヤの必殺技「バット曲げ」、第1巻ラスト。`小学生の時すごい衝撃的なシーンだったが今見てもすごい迫力だ…かっけぇ!

 

岡本清志郎(オカモト きよしろう)

 楽園高校1年生/ 家志望のドリーマー

一人称は「僕」。自分や仲間の夢を大切にしている。小柄で温厚だが大切なモノの為ならその身を顧みない大胆な行動に出る。自分より大きくて強い相手にも一歩も引かない。
それぞれの呼称は「日々野」→「日々野さん」「一条」→「一条くん」と礼儀正しい。喧嘩は強くないが、その根性と芯の強さに2人も一目置いている。
夢はフランスに行って画家になること。その資金のためバイト生活をしている。

 

岡本君はキツイ肉体系のバイトでセメント袋(約20kg)を3つ4つ担いだりしている。こう見えて意外に力持ち。のちに師匠になるボブ爺さんの相棒猫の名前は「ピカソ」というが、作者は「サルバドール・ダリ」が好きらしい。そういえば一条が懇意にしているライブハウスの名前が「ダリ」だったような‥、オーナーの特徴的な「ヒゲ」ももしかしたら─?

 

一条誠(イチジョー まこと)

 同級生/ のロックンローラー

一人称は「俺」。クールな言動とは裏腹に熱い「ロック魂」をもつ。普段はセンター分けのロン毛だがライブ時には髪をおっ立ててファイヤーガンズのVo&Gtとして冷めたやつらに火をつける。
それぞれの呼称は「日々野」→「ヒビノ」「岡本」→「オカモト」と頼れる兄貴ポジション。喧嘩も強く、バイク音楽、不良やドラッグ、アンダーグラウンドな情報にも詳しく「解説役」も担っている。

 

登場時は敵(ヒール)だった「伊部麗子(いぶれいこ)」も一条に惚れてからは仲間(ヒロイン)に。押し付けられる巨乳にまんざらでも無いところはやはり「むっつりスケベ」……!

 

漫画『BØY』のタイトルは伝説のバンドBOØWY(ボウイ)が元になっている。解散後、メンバーの1人「布袋寅泰」が歌っていた歌詞にこうあった──「ロックンロール ネバー ダイ」!

 

神崎狂(カンザキ きょう)

 戯堂(げどう)高校/「最のライバル」

・悟空にベジータ、ナルトにサスケ、バトル漫画の主人公にライバルは数いれど、底冷えするようなクールさと噴火寸前のマグマのような熱さを併せ持ち、マッドで怒り狂ったデスロードなライバルは「神崎」さんをおいて他にいないだろう……。

 

右の画像は12巻の表紙。今見ても、何度見てもカッコいいんだよなぁ‥。左の画像、漫画『BØY』で初めて「拘束衣」の存在を知る。私の中で拘束衣を着ているやつといえば、踊る大捜査線の「小泉今日子」か、ハンニバルの「レクター博士」だ。2000年代に入ると結構ポピュラーなキャラクターファッションになってしまった感がある。しかし、「拘束衣」を自力でぶち破った人は「神崎さん」以外まだお目にかかっていない…。

 

「バタフライナイフ」を知ったのも漫画『BØYが初めてだった。小学生当時の友達が「コンパス」かなんかを片手で振り回して「神崎のバタフライナイフ」と言っていたのを覚えている‥。

 

ジャンプ史上最高の主人公の煽り(あおり)
不良の煽り文句といえば「ビビってんのか?」や「ザコはすっこんでろ!」からの「家に帰ってママのオッパイでもしゃぶってな‼︎」など枚挙にいとまがない。とはいえ、これらの煽り文句を口にする輩は大抵次のページで地面にキスしているか、爆発系の破壊に巻き込まれて木っ端微塵になっているので素人が口にするのは大変危険である。
通常、ジャンプのバトル系主人公が煽りを口にするのは珍しい。ジャンプから離れて久しい私が記憶している限り、「銀魂」の銀さんや「左門くんはサモナー」の左門くんが煽り系の主人公だった。彼らの煽りは精神を切り刻む鋭いものから、納豆のようなねちっこいドロドロとしたものまで多種多彩だった。どちらも王道系というよりはトリッキー系主人公なのであおりも武器の一つなのだろう。
そんな週刊少年ジャンプで私が最高だと感じる主人公の煽りが『BØY12巻のこれ!
ドラッグで肉体を強化し、日々野にリベンジを誓う神崎。今にもそのドラッグをキメようとしていたその時に、かつて仲間だった一条が叫ぶ やめろ神崎!つぎにそれをやったら死ぬぞ!」→

それがどうした、俺は死ぬのなんか怖くねぇ。

神崎狂
このセリフに周りの人間は言葉を失うが、ハレルヤは「フハハ!」と笑いながらこう語る‥‥
「お前が怖いのは──」
「このオレ様だろ」
図星だべ?」と続くハレルヤのあおりに当時の私は鳥肌が立った。強さを求める神崎のプライドをえぐるすさまじい煽りだ─。

スカッとジャパン!

「○快スカッと○ャパン」という某テレビ番組がある。なんと言うか……全くスカッとしなくて困っている。最近は胸キュンさせてくれるというのでチラッとのぞいてみたら逆に鳥肌が立った。というわけで、私が個人的にスカッ!とした漫画『BØY』のシーンをここに紹介していく。

クレーマー」「迷惑な隣人」「マナーの悪い客」を小賢しさと一休さんみたいなとんちで撃退してドヤ顔されても全然スカッとしない。「不良」「半グレ」「鬼畜犯罪集団」「法で裁けぬ悪」を日々野ハレルヤの器の大きさと痛快無比なパワーでぶっ飛ばす様をみて、スカッとしてもらいたい!

 

注意:ネタバレします。漫画を楽しみたい方は今すぐ『BØY』を全巻読んでから改めてこちらの記事を読んでください。また作中にあるバイオレンスな描写を真似して拳を痛めたり、社会的な罰を受けたりすることがございます。あらかじめご了承ください。

 

第1巻:入学したての高校で「不良の先輩達」に囲まれた。→調子こいてる一年坊主に地獄を見せてやるよ!

 

まさかの背中から「投網(とあみ)!?20人以上いた不良たちは一網打尽!どうやら体育館から仕切りネットをかっぱらってきたらしい。ハレルヤ曰く「大漁じゃ!」とのこと。

 

第10巻:武装「半グレ」集団の格闘技マスターと一対一の決闘。→ハハハ!自分で自分の首を締めやがってこのマヌケめ!

 

「!?」

 

生涯一度は言ってみたいセリフハンデだよ!これに冷静さを失った格闘技マスターは、日々野ハレルヤにのまれ……

 

はい、ぶっ飛んだ。

 

 

第94話:敵に部屋に誘い込まれ鍵を閉められた。→まんまとひっかかったな!ざまぁ〜〜!ねぇ、今どんな気持ち?ねぇ?

 

「聞ーてんのかコラー!ハーハッハ!!」

 

はい、バゴーン!!調子に乗った悪者にはドア越しに顔面パンチをプレゼント♪

 

 

第21巻:ポケットに手を突っ込んでいたら相手がこちらに殴りかかってくる。→調子に乗りやがって!

 

「──え?」

 

一蹴(いっしゅう)──文字通りの一蹴りで決着!ハレルヤの「うるぁー!」も3倍増しの「うるぁぁぁ!!!」になっている。連載時、次のページをめくった瞬間、このシーンが見開きにきたものだから当時受けた衝撃は相当なものだった。

 

第21巻その2倒した相手がパワーアップして復活、バットをへし曲げるほどの蹴りを繰り出してきた!→キエ─────!!

 

ぶっとべやあぁ!!

 

 

メキィィ──と言う鈍い音は金属バットの音なのか、それともスネの骨がひしゃげ折れる音なのか‥‥どちらにせよ恐ろしい技だ!

 

 

第201話:鬼畜犯罪集団に廃墟に連れ込まれレイプされそうになる。→神も仏も正義も愛もこの世には無ぇんだよ!

 

「ヒャハハハハハ」

 

うるァ───」

 

「神も仏もいない」「正義や愛もない」だけど大丈夫。無敵の男、日々野ハレルヤがここにいる!

 

 

第204話:鬼畜犯罪集団のボスが人質をビルの屋上から突き落とした。→空中ダイブ!

 

 

キャッチ!

 

「なにぃぃぃ!?」→奇跡を起こしたってか?けどな、2度と起こらないから奇跡なんだぜ!

 

 

奇跡?こんなの奇跡でもなんでもねぇ。無敵の男「日比野ハレルヤ様」の実力じゃ!

「BOY」23巻/日々野晴矢
「ほざけ!」→引っ掛けていた足を振り外して今度は頭から落とす→
これも生涯で一度は言ってみたいセリフ──言っただろ、実力だって

 

 

第287話:超凶悪なアニマル男が暴走車で道連れに。→「ははは!人間なんて所詮こんなものだ」→

 

 

「なにィィ‼︎?」

 

 

無傷で生還!→ふざけんなぁ‥てめーは、一体何なんだァァ‼︎!

 

悪を自称するアニマル野郎の心をへし折る、会心の名乗り。無敵の男日々野ハレルヤ!

 

 

バイオレンスだけじゃ無い、エッチなシーンも漫画『BØY』の魅力の一つだった。特に21巻のナオミVSイブキャットファイトは最高に刺激的だったのを覚えている。

 

 

漫画『BØY』の舞台設定は連載開始時の1992年だが、99年まで続く連載期間中に移り変わりゆく世の中のトレンドも描いている。リアルな「格闘ゲームや「コギャル」などもその一つだ。

 

ノーパンである。若い方はご存じないかもしれないが、90年代後半にはノーパン喫茶やノーパンしゃぶしゃぶなるものが東京の歌舞伎町近辺にあったらしい。ちなみにナオミのパンツがないのはある男が原因なのだが‥‥。

 

ローリングソバットこの21巻ではやたらとプロレス系の技が飛び出していた。(当時は技名と知らなかったが)魔女学のイブVS花魁高校のナオミはイブに軍配が上がった。巨乳対コギャル、勝利の要因はやはりウエイトだろうか?

 

珠玉の名作達へ

 

漫画なんてオワコンだと言われていた数年前‥‥。少年マガジンの「進撃の巨人」や記憶に新しい少年ジャンプ「鬼滅の刃」の社会的大ヒット。漫画なんて子供の読み物とバカにしていた私の親世代が、書店で漫画を買っている姿には元書店員として隔世の感を禁じ得ない。

 

コロナ禍の中2021年を迎えステイホームの生活スタイルから老いも若き「漫画」を手にする機会が増えた。コロナ自体は深刻な社会問題であるが、漫画を読む人が増えていることは単純に嬉しいし、素晴らしいと思う。クールジャパンなどと持ち上げる必要なく「漫画の力」が私たちに浸透していく様を見ていられる現代に拍手を送りたいぐらいだ。

 

「電子書籍」の便利さにより紙媒体としての「漫画本」を手にすることが減った。電子書籍で漫画を買いすぎて月3万以上の支払いが来た時は目をひん剥いた。節約のため、ネットカフェに行って新作を読むのだが、ついつい手が伸びてしまうのは「懐かしの名作」たち‥。

 

彼らを手にするたびに当時の私の初期衝動が蘇り、脈拍数が130以上になるのを感じる。ツーンとくる鼻の「痛み」が、呼吸を忘れる「息苦しさ」が、叫びだしたくなる「むず痒さ」が、込み上げて来るいくつもの感情の「せめぎ合い」が、私に「最高だろ?」と囁いている。

 

私があと30年は生きるとして、その間に襲われるであろう「絶望」に自死を選ばないとも限らない。その時きっと助けてくれるのは、私が読んで来た数々の「漫画」たち。昭和から平成へ。そして令和。80年代、90年代からゼロ年代を駆け抜けた珠玉の名作達……彼や彼女達を、誰も語ることなく忘却されていくだけの存在で終わらせたくない。なればこそ「語りたい」。だからこそ「おすすめ」したい。そして、いつか、「未来の私たち」を助けてほしい──そんな願いを込めてこのコーナーを続けて行きたい。

 

第一回目の「隠れた名作」は週刊少年ジャンプの『BØY』!
2020年代の現代に1990年代のスカッとする名作漫画『BØY』を是非、読んでほしい。

 

 

 

BGM:「JACK NICOLSON(ジャックニコルソン)」
/2004年/Bloodthirsty Butchers(ブラッドサースティブッチャーズ)
【YouTube】https://www.youtube.com/watch?v=60hYAK8wcKw

 

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